今年4月の第3週目、4週目の週末にカリフォルニアで行われる世界最大規模の音楽フェスティバル、コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル、通称コーチェラ(Coachella)。

ハリウッドがあるロサンゼルス近郊のエリアであるため、有名若手女優やモデルたちも参加する、いわばセレブ達の出没イベントにもなっている。

出演アーティストたちの豊富さや豪華さはもちろん、一番の目玉となっているのが参加者のファッションとメイク。

ファストファッションの代表的ブランドH&Mも昨年からコーチェラと期間限定のコラボ商品を発売するなど、様々なフェスティバルファッション・メイクのトレンドがこのコーチェラで生まれていることから、今年も一般人含め、多くの参加者が注目を浴びること間違いなし!

でも、そのトレンディなファッションとメイク、実は数年前から問題視されているって知ってた?その引き金となったのが、海外ではとても敏感に反応される「Cultural appropriation(文化の盗用)」。
コーチェラからのトレンドにそれが頻繁に見受けられることから、特にマイノリティの人々から非難を受けているの。

今回は、その「Cultural appropriation(文化の盗用)」を徹底解説していく三部連載の第一弾。はじめに、いったい文化の盗用とはどういうことなのか、どうコーチェラと関わっているのかについて説明していくよ!

「Cultural appropriation(文化の盗用)」とは、
「ある文化の一部を、その文化を保持していない者が搾取また制圧的に利用する行為」。この「ある文化」とは多くの場合マイノリティのそれを指す。

マイノリティなど様々な文化や民族が入り混じっていない日本だと未だ広く知られていない概念で、理解するには難しいかもしれない。そこで、コーチェラのトレンドに焦点を当てて実際の例を見てみよう。

・インディアンヘッドピース


写真を見ればすぐ目につくのが、このネイティブアメリカンの伝統的なヘッドドレス。
彼らのコミュニティではこのヘッドドレスは神聖的シンボル、無私無欲なリーダーシップの象徴とされている。昨年のコーチェラで多くの人がこれを身に着けていたことから、インディアンの文化を盗用していると非難を受けた。

・ビンディー


両眉の間に施される装飾、ビンディー。
インドを含む南また東南アジアのヒンドゥー教の習慣が由来で、本来は既婚の女性が赤い粉を使い、女性の愛情・名誉・清らかさ・繁栄を意味する。眉の間は知恵とエネルギーが集中する場所といわれ、そこにあるビンディーは第三の目とも呼ばれている。

ビンディーがヒンドゥー教徒でない人に汎用されるようになった昨年、TwitterやInstagramでは南・東南アジア出身の人々から#ReclaimTheBindi (ビンディーを取り戻せ)というハッシュタグが発信された。

・ヘナタトゥー



ヘナタトゥーは日本でも最近広く知られるようになったけど、起源はインド。
これもまたヒンドゥー教の宗教的伝統で、結婚式の際に新婦また新郎がターメリックからできたペーストで肌の装飾を施す。ムスリム教徒の間では成人の祝いの際にも利用される。

つまり、これらのコミュニティの人々は文化的、宗教的な意味合いがある伝統をその意味を理解せず、その上勝手にトレンドとして使用を煽るような行動は、彼らの文化を盗用していると感じている。

白人は他の文化を一部利用するも、個人の裁量でそれを利用しないも選択の余地があるけど、マイノリティの人々はその文化を背負って未だ人種差別が残る社会で生きていくしか道がない、という不平等な文化搾取からもこの「盗用」という表現が為されている。


なんとなく理解できたけど、まだしっくりこない・・・という読者の方、こんな例はどう?

例えば、SNSなどであなたが面白い!と思ったことを発信したとする。
しかし周りの人たちからはまともに受け取ってもらえず、むしろ軽蔑的な発言を受けた。

またある処で他者がそのあなたの発言を見つけ、面白いと思ったからか、そっくりそのままコピーしてまるで自分のオリジナルのアイディアかのように再発信した。すると、その人は周りからポジティブな反響を受け、まるでその人が斬新でクリエイティブかのように讃えられた。

これから、あなたが受けるべき評価を他者に盗まれたことがわかるかな?

コーチェラのハッピーな雰囲気を感じさせるファッションからこんなにも残酷な問題が剥き出しになっているのはとても悲しい事。しかしこの文化の盗用は音楽フェスティバルだけでなく、ハリウッドの様々なシーンでも見受けられるの。

第二弾の次回は、ハリウッドセレブたちの「Cultural appropriation (文化の盗用)」をフィーチャーするよ!

写真:Instagram
文:CELESY Writer Urara