Cultural appropriation連載企画第一弾では、この用語の説明とフェスティバルファッションでの例を、第二弾ではハリウッドスターたちの問題となった例を紹介してきたよ。

連載最後の第三弾、今回はCultural appropriation(文化の盗用)をいかにappropriation(感謝)に変えていくか。
ファッションやエンターテインメント業界の影響でいつの間にか私たちの生活に浸透してきているCultural appropriationに個人がどう対応していくかについて考えてみよう。

・Cultural appreciation(文化への感謝)の4つの質問


1. そのファッションアイテムは文化的・宗教的所有物?

まずはそのアイテムが文化的・宗教的背景をもっているのかについて考えてみよう。

例えば、前回記事で頻出したビンディやヘナタトゥーはヒンドゥー教の伝統。
それ以外にも、ファッショントレンドに次々と紹介されてくる目新しいものは、もしかしたらマイノリティの文化を盗用したものにすぎないのかも。そのトレンドを取り入れる前に、まずは自分に問いかけること。
もし答えがNOなら、それは新しいファッションアイテムとして受け入れてOK。

もし答えがYESなら、以下の質問に移ってみよう。

(@hennainspire)が投稿した写真 -


2. 何故あなたはそれを身に着けているの?

もしファッションアイテムが文化的意味を含んでいるなら、あなたの着用する意味について考えてみて。

単純に「トレンドだから」や「可愛い・カッコいいと思うから」、という理由では盗用になってしまうことはこの連載を通して理解しておきたい。

もしあなた自身がその文化を継承している、またはその文化的イベントに招待された場合、アイテムを着用するのは適切に値するよ。
例えば、もしあなたがヒンドゥー教徒じゃないとしても、あなたがその宗教の結婚式や葬式に招かれた場合はその宗教にあった服装(サリーやビンディー)を着用することがそのイベントへの尊敬を表すこと。


アンジェリーナ・ジョリーがその具体例。
彼女は国連難民弁務官のアンバサダー活動での海外訪問の際、ヒジャブ(女性が顔周りを隠すための布)を着用したことがその文化を敬っているとポジティブな反応を受けた。

3. 誰がそのアイテムをビジネスとして売買しているの?

消費者であるあなたがファッションアイテムを手に入れるということは、その反対側で利益を得る人がいるということ。

あなたはそのアイテムを文化的関連性のないブランドから購入した?
それともその文化が基となった、または文化をサポートしているブランドや小売店からアイテムを手に入れた?

Cultural appropriation(文化の盗用)の主観は文化を搾取して利益を生み出すこと。
その文化を保持または援護していない団体が利益を搾取しているのはモラルの問題でもあるよね。
文化は法的には「個人の所有物」と明確に示すことができないのが現状だけれども、それの搾取は、いわば特許制度を無視して他会社や個人がビジネスを行うようなもの。

4. そのアイテムは正統な物?

3番目の質問と少し関係のある最後の質問。

文化的理解のないブランドから売買されるアイテムは多くの場合、元の文化から「インスパイア」されたもの。
正統的でないアイテムを着用することであなたは不正確なステレオタイプを生み出していない?
第二弾で紹介したケイティ・ペリーの「なんちゃって」な着物が分かりやすい例。

文化的アイテムを手にするということは、あなた自身もその文化をポジティブにもネガティブにも助長する媒体であることを忘れないでほしい。

・最後に

今回連載でお伝えしたCultural appreciation(文化の盗用)。
日本ではあまり聞きなれない言葉・概念ということで、三つの記事を通してその用語の説明とファッショントレンドやエンタメ界で見えてくる凡例、そしてどのようにAppropriation(盗用)からAppreciation(感謝)に変えていくかを紹介したよ。

海外に興味のあるCELESY読者は特に知っておくべきトピックであるし、グローバル化が進む日本にいる人も、一度立ち止まって考えてほしい。
たくさんの文化が国内やコミュニティの中で混ざり合うことは素晴らしいけれども、実際に自身が他文化を理解していることがこれからの社会で重要なこと。この連載を通して、周りの行動とともに自身の行動を省みる機会を得てほしい。

写真:Instagram
文:CELESY Writer Urara